現代社会は困難な問題が次々と増え、ますます事前の見通しがきかなくなっている。そこでは「すでにあるいくつかの選択肢」から一つを選び取るのではなく、「まだ存在しない新しい選択肢」を生み出すための知、そして不確実な問題に果敢に向き合っていく姿勢が求められている。
それらを学ぶためにはどうすればいいだろうか? 我々(Dコース教員)は、部分的なスキルに特化するのではなく、どんな問題にも対応できる基盤となるように、さまざまな要素が関わり合う文脈や全体性をよく見渡し、思考の柔軟性を高めること、そしてものごとを見る解像度を高めていくことが重要である、と考える。
基礎演習Dは、ITビジネス、フィジカルコンピューティング、メディアコミュニケーション、コンテンツデザインの4プログラムを統合する演習である。各分野を横断して、ものごとを観察し、多様な角度からヒントを「みいだす」⼒(Discovery)、試行錯誤の中で新しい意味を「あみだす」力(Design)、実際に社会の中で行動し、「ふみだす」力(Demonstration)に焦点を当て、それらの基礎的なスキルの修得を目指すものである。決して狭義の「デザイン」のための演習ではなく、さまざまな「D」を含む、どのプログラムにおいても有用な思考力を養うことに重点を置いている。
前半では与えられた課題の制作プロセスを経験していく中で、必要な表現語彙と各種技術を学ぶ。後半ではそれを応用し、社会の中で活かしていくための問題発見力や思考力につなげるための実践的な方法論を学ぶ。主体的に問題に関わることを重視して、課題の多くはワークショップ形式で行う。
(1)情報学の知識体系と一般的知識を、デジタルコンテンツ制作において組み合わせて応用することができる。(知識体系に基づく思考と知の創出)
(2)与えられたテーマを元に〈調査・分析・仮説生成・創造・表現・説明・評価・改善〉の創造的なプロセスを実行し、問題の解決あるいは価値創出をすることができる。(知識体系に基づく思考と知の創出)
(3) チームで一連のデザイン活動を行い、多様な考え方や立場を理解して合意形成を行うことや、他者と協調しながら解決案を提示することができる。(態度・志向性)
(4) 創造活動に必要な情報・知識・スキルを適切に取捨選択・活用しながら、主体的に判断して自己学習することができる。(態度・志向性)
01. ドローツールを用いた表現1:オリジナルキューブを作る (個人ワーク)
02. ドローツールを用いた表現2:ベジェ曲線の理解 (個人ワーク)
03. 情報の設計(グループワーク/個人ワーク)
04. 情報の設計(グループワーク/個人ワーク)
05. 情報の設計(グループワーク/個人ワーク)
06. サービス企画とウェブサイト設計(グループワーク)
07. サービス企画とウェブサイト設計(グループワーク)
08. サービス企画とウェブサイト設計(グループワーク)
09. サービス企画とウェブサイト設計(グループワーク)
10. サービス企画とウェブサイト設計(グループワーク)
11. サービス企画とウェブサイト設計(グループワーク)
12. サービス企画とウェブサイト設計(グループワーク)
13. サービス企画とウェブサイト設計(グループワーク)
14. サービス企画とウェブサイト設計(グループワーク)
15. 講評と相互評価
<成績評価方法>
平常点100点とする。
到達目標1~4について、提出物をそれぞれの基準で採点し、総合点を算出する。
<成績評価基準>
到達目標(1)に関しては、各回のテキスト読解、課題の中間成果物、リフレクションレポートなどを通して
知識を活用できているか、各講義で学んだことを統合しているかの観点から評価する。それぞれの課題の主旨に応じて100点満点で点数化し、評価する。平均点が90点以上でS、80点以上90点未満がA、70点以上80点未満がB、60点以上70点未満がC、60点未満はFとする。
到達目標(2)に関しては、テーマ毎に出題された途中成果物および最終成果物の質によって評価する。それぞれの課題の主旨に応じて100点満点で点数化し、評価する。平均点が90点以上でS、80点以上90点未満がA、70点以上80点未満がB、60点以上70点未満がC、60点未満はFとする。
到達目標(3)に関しては、授業および課外グループワークへの参加度、貢献度によって評価する(出欠を含める)。定められた課題を達成できた場合は、内容に応じてS(グループを先導し、貢献をした)/A(適切な貢献をした)/B(なんらかの貢献をした)/C(参加した)となり、グループワークに参加しなかった場合は、Fとなる。
到達目標(4)に関しては、提出された課題とリフレクションレポートを通して自己学習の観点から評価する。S(「よくできている」)と、A(「できている」)F(「できてない」)の3段階に位置づけられる。Fの場合は再提出となる。
到達目標(1)を全体の30%、到達目標(2)を30%、到達目標(3)を20%、到達目標(4)を20%、計100%として、科目全体の得点を計算する。ただし、到達目標(1)から(4)までのうち、1つでもF評価のものがあった場合には単位の認定は行わない。
1)すべての授業に出席することが原則である 。欠席は、100点満点換算した成績点から、1回あたり5点減点する。
2)演習と関連して出題されるすべての課題を提出し、受理されることが必要である。提出しても規定を満たしていないもの、質が低すぎるものは、不受理・再提出とする。 不受理は最低ラインであるので、意図を理解して真面目に取り組んでいれば問題はない。
1組 上平崇仁 (kamihira✉️isc.senshu-u.ac.jp)/ 演習チーフ
2組 栗芝正臣(kuri✉️isc.senshu-u.ac.jp)
3組 星野好晃(bibliomanias✉️gmail.com)
4組 向井知子(tomomo.mukai✉️gmail.com)
5組 尾形慎哉(ogata✉️glagrid.jp)
6組 伊川絵理(8ma4y.eri✉️gmail.com)
演習チーフ 上平崇仁(kamihira✉️isc.senshu-u.ac.jp)
大池(ウェブデザイナー/フォトグラファー)
𠮷田(アーティスト)
山中(デザイナー)
植田(ウェブデザイナー)
関口(東京都立大学大学院)
舘(明治大学大学院)
綾野(ネットワーク情報学部3年)
屋ヶ田(ネットワーク情報学部3年)
勝又(ネットワーク情報学部3年)
鈴木(ネットワーク情報学部3年)
千葉(ネットワーク情報学部3年)
山崎(ネットワーク情報学部3年)
表紙写真は、Flickerのアルバムと連動しており、画面クリックで画像が切り替わる。
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