本日のMENU
◎上記スケジュール表の確認。
◎相互評価を通して、用意したアイデアから1つのコンセプトに絞り、A案B案としてまとめる。
◎アイデアをより深め、シートを活用しながら総合的な視点から企画にしていく。次回の企画プレゼンの準備をする。
◎メイキングの記事を書くために、画面キャプチャやチャットなどの記録を残しておくこと。
アイデアは、そのまま企画になるわけではない。頭の中で発想したこと(アイデア)を絞り込み、実態情況(人・もの・環境・予算など)に照らし合わせて実現可能な計画にしたものが〈企画〉である。したがって、アイデアは面白いが企画としては成立しないものはたくさんある。アイデアを企画として高めるためには、土台となる資料、データ、フィールドワークによる現場観察、経験を加味して練り上げる必要がある。
アイデア段階というのは「種のようなもの」であり、一見しただけでいいか悪いかを判断することは難しい。一見よさげに見えても膨らみが無いものもあるし、現実味が無くても、長所を起点にしてよいところを抽出して育てていけば、大化けしていくものもある。
また、他者からの評価をとりいれた場合、本当は新しい可能性を秘めていた案よりも、表面的にわかりやすい案や、反論が少なそうな無難な案の方が評価されてしまいがちであるという問題もある。
したがって、他者のアイデアを評価する場合は、その時点の情報や自分の直感だけで判断するのではなく、どう意味づけして育てるかの想像力をもった上で検討することが必要となる。
デザインレビューとは、デザインプロセスにおいて企画や実行などのフェーズを切り替える段階で、企画書やプロトタイプなどの中間成果物を、デザイン担当者だけでなく複数の立場の人々(営業、経理、購買、生産管理、品質保証などの部門の人)とともに検証するものである。
デザインはデザイナーだけがするものではなく、組織のさまざまな立場の人々が関与していく機会が必要である。そしてその関与は、基本的に「ことば」によるコミュニケーションで行われる。Dコースでは、こうした機会がたくさん設定されているが、そこで諸君らがフィードバックした言葉は、ただの言葉に過ぎないとしても、それが活動を元気づけることもあれば萎えさせることもある。他者の仕事に対して良質なフィードバックすることは、大変クリエイティブで重要な仕事でもあり、社会の中の業務においてもたいへん重要である。それは組織全体の仕事の質を向上させることに貢献するのだ。
まだ内容が定まってない荒削りな草案段階だからこそ、何をどのように伝えることが効果的なのか、あるいは得たさまざまなフィードバックをどのように企画に取り入れていくのか、たくさんのケースを経験しておきたい。
どうフィードバックするかには、多様な答えがあるが、大きく3つのタイプがあるとされる。このセリフを参考にしながら、他チームのレビューに取り組んでみよう。
1)反応型フィードバック
直感的、反射的な感情に突き動かされたもの。好き嫌いや、機嫌など非常に個人的な反応と切り分けて話せない人は多い。しかしこれが全面的にダメということもなく、そのようなフィードバックが役立つ場合も(まれに)ある。
2)指示型フィードバック
自分の見解を中心にした指示がベースになっているもの。このタイプのフィードバックをする人は、ソリューションはこうあるべきだという自分自身の期待に沿ったデザインにしたいと思っている。しかし、その人がそういったからと言って魅力的なデザインになるわけではない。
3)批評型フィードバック
アイデアのどのような側面の判断なのかを具体的に明らかにしつつ、分析的に話すもの。その判断は、対象がめざしている目的そのものが妥当かどうかに向けられている。あるいはその判断は、そこでの目指すこととどのように関連しているか、いないか、その理由はなにかを説明している。
批評は、何かを見たときに即座に感じる反応でもなければ、より良い問題解決のために誰かのデザインを変更しようとすることでもない。批評とは批判的思考を用いて、デザインが望まれる目的を達成する(そして関連するベストプラクティスまたは経験則を遵守する)と思われるかどうかを判断する分析方法なのである。
目的にはいろいろなタイプがあるだろう。例えば、人がタスクを完了できるようにするような実用的な目的もあれば、特定の行動を起こさせる仕掛けのコンバージョン数を増やすといった、測定や測定基準に関する目的もある。あるいは、何かで人をワクワクさせる、驚かせる、という実験的な目的も考えられる。
――『みんなではじめるデザイン批評』 アーロン・イリザリー&アダム・コナー
BNN新社 2016
[手順]
1) グループ内で発表者と評価者の二手に分かれる。
2)評価者は下表の要領で他グループの場所に行く。発表者は自分たちの場所に残り、自分たちのA案B案を中心に、必要があれば軽く他のアイデアもふくめて、全部で5分以内で紹介する。
3)評価者はアイデアを聞き評価し、ディスカッションする。
(発表5min, 質疑4min, 入れ替え1分= 10min/1グループ)
(例)グループ1の場合
セッション1. 評価者はグループ2を評価にいく
セッション2. 評価者は グループ3を評価にいく
* 発表者・評価者交替
セッション3. 評価者はグループ4を評価にいく
セッション4. 評価者はグループ5を評価にいく
(図参照)※グループ数が違うクラスは調整してください。
セッション1 | セッション2 | (入れ替え) | セッション3 | セッション4 | ||
評価者 (訪問する側) |
||||||
発表者 (迎える側) |
1班 | 7 | 6 | 5 | 4 | |
2班 | 1 | 7 | 6 | 5 | ||
3班 | 2 | 1 | 7 | 6 | ||
4班 | 3 | 2 | 1 | 7 | ||
5班 | 4 | 3 | 2 | 1 | ||
6班 | 5 | 4 | 3 | 2 | ||
7班 | 6 | 5 | 4 | 3 |
4)相互評価を終えたら自グループに戻り、自分たちが他グループからもらったフィードバックについて共有する。(10min)
作成したアイデアに対して、
◎ 自分たちのチームメンバーが「これは良くなる」という可能性を感じるもの
◎ 相互評価で高評価をあつめたもの
◎ 教員やTA・SAスタッフの目から評価されたもの
の3つ軸からの意見を集めて、よく検討する。
議論してきたA案B案から、現実性をふまえた企画になりそうなアイデアを検討した上で本日中に1案に絞る。いくつかのアイデアから掛け合わせで改良するのも可。
教員にその案で企画を進めることの確認をとる。
チームで準備したものでも、大学の演習として成り立たない水準だと教員から判断されたら、やりなおしの指示がでる場合がある。真剣に考えよう。
アイデアが絞られたら、どのようなサービス/コンテンツとして提供するのか、全体を捉えた上でプロトタイピングを行う。かならずしも完全な実装まで到達する必要はないが、共感力のあるストーリーと、それをできるかぎり具体化したプロトタイプ映像/言葉を提示すること
を目標とする。
1)対象となる人
「誰」と「誰」がおこなうのか、狙いとなる人々を決める。またサービスの場合は「誰」が提供するのかを決める。
2)ネーミング/キャッチコピー
キャッチコピー、コンテンツ/サービスのネーミングを決める。
共感には言葉の力も重要である。ひとことで価値を表せるようなものを考える。
3)成果物
どんな仕組みなのか、どんな体験ができるものなのか、なにか付属するものがあるのか・・・などを人の動きを十分に考慮した上で決め、具体化する。具体化の度合いについては教員と相談する。
4)シナリオ
いつ、どうやってそのコンテンツ/サービスを知るのか/参加するのか? どのくらいの時間がかかるのか?どんな風につかうのか?体験のなかで後にどういう会話をするのか?最終的にどのような場所におさまるのか?どんなふうに広めるのか? その文脈(コンテクスト)を具体化していく。コンテンツの場合は、言葉をたくさん出して事前に計画するよりも、まずできるだけ小さく、すぐにできることから試してみるほうが良い。
5)ロゴタイプ
ロゴタイプを制作する。既製のフォントをそのまま利用してオリジナル性をだすのは非常に難しく、なんらかのかたちで加工されることが多い。商品のイメージを端的に視覚化できると望ましい。企画プレゼンの時点ではラフでかまわない。
6)予定価格 / ビジネスモデルなど
サービスは、みえないところに様々なコストがかかる。さて、諸君らの企画するコンテンツ/サービスの場合、いくらぐらいのお金が必要だろうか。もし、高くなるとしたら、それに見合う顧客側の体験価値が欲しい。コンテンツの場合も、なにがいくらかかるのかの予想金額(見積もり)は計算すること。
Keynoteでもかまわないが、メンバー全員で共同編集できる環境を作成した上で取り組むこと。
そのコンテンツ/サービスを使用するシーンを寸劇のように言葉と図、スケッチ・写真に発声を加えて演じて見せること。即興が厳しければ、事前に映像として収録しても良い。
・チームメンバーで顧客役を決め、どのようなやりとりが起こるのか役割分担して演じてみせる。
・1チーム5分(厳守)質疑5分 入れ替え2分
・聴衆側は、評価シートを記入する。(事前にチームごとにテンプレートをコピーして作成し、discordに貼り付けておくこと)
※この見出し・この順番で一問一答のように説明しろという話ではない。自分たちの頭で効果的なプレゼンのためのストーリーを考えて、その順番や内容をよく構成すること。
・タイトル / コンセプト
・調査から気づいたこと
・顧客(だれが「する」ものか)
・シナリオ(得られる体験価値)
・予想される成果物のスケッチまたはプロトタイプ
※キャッチコピーやネーミングもあわせて提示
・その他必要となる仕掛けを具体的に示す
・必要となる予算
その他、自分たちでイメージを伝えるために必要だと考えるものがあれば追加して構わない。
スライドは企画書代わりとなるので、クラス全体でみれるようにアドレスを共有しておく。
企画書はだらだらとたくさん書くことよりも、必要最小限の情報であることが重要である。聞いて欲しい相手は大抵の場合とても忙しい人だからである(参考:エレベーターピッチ、企画書は一枚でまとめよ)
最初に定義しておこう。私が言う1ページ企画書とは、次の4つの条件を満たす文書のことだ。
1、企画やプロジェクトに関連するすべての事実、予測、条件を簡潔に述べていること。
2、相手の同意を取り付けるために、効果的で説得力のある言葉で書かれていること。
3、読み手に具体的な行動を提案していること
4、これらのすべてが一枚の紙にまとめられていること
分野ごとも企画書で必要とされるものは異なる。しかし、「何をどのくらいやろうとしているか」を明確にしてみせ、読み手にどうして欲しいかを提案するというという基本的な意味では同じである。また上の1枚にまとめる例は印刷物の場合なのでスライドでは1枚に詰め込むことは必須ではないが、やはり冗長なものは好まれない。関心のある分野の事例は自分でも調べてみよう。
ネットで見られる!国内有名Webサービスの「ナマ企画書」まとめ1
ネットで見られる!国内有名Webサービスの「ナマ企画書」まとめ2
通常、文書はwordやillustratorで作成することが多いが、近年は手書きを効果的に取り入れたハイブリッド型のものも増えている。(デジタルツールが普及しすぎた反動で、通常の定型文書では感情が伝わりにくくなっていることも一因だ)
オンラインのワークは、利用するツールに出力できることがつよく依存してしまう。例えば、miroを使っていると、延々付箋に言葉を書き続け、手で描けば一瞬で伝わるはずのことが見えなくなってしまうという問題がある。
他者に情報を伝える手段には、「言葉」以外にも、「視覚言語」「非言語」がある。これには、絵文字や図解、身振り手振りなどが含まれ、言葉で伝えることが難しい空間的な関係性を具体的に伝えることができる。今回のプレゼンでは、この視覚的な要素を積極的に利用してほしい。第2回で扱ったトレースを用いても構わないし、手描きで描いても構わない。
この手描きで書くことに関して、近年注目をあつめているものにグラフィックレコーディング(グラレコ)がある。これは、人々の議論や対話、 図や文字や絵を組み合わせたグラフィックを用いて、リアルタイムで可視化していく手法のことである。グラフィックレコーディングする人たちは、言葉を聞きながら瞬時にビジュアルに変換し、図に描いて他者に見えるようにする。それによって、テキストにすれば冗長な議論内容を、効果的に圧縮したり、より共感しやすいイメージとともに伝えることができる。
これらは、絵の完成度や美しさを競うものではなく、コミュニケーションを目的とするものであるため、われわれの学部の学生も十分に学ぶ意義があるし、武器にすることができるはずである。挑戦できそうな人は、このテクニックをプレゼンの図解に取り入れてみよう。
下記動画教材は、グラフィックレコーダーとして活躍されている、過去のTA久々江さんによるものである。
・映像内での実験のワークシートPDF
(※各チームでmiroに貼り付けて共有してください。)
・久々江さんの活動に関する参考記事:正しい知識・情報をイラストで翻訳?!コロナ感染予防のイラスト、世界へ届け!
絞り込んだアイデアをもとに、グループで企画の具体化を行う。
グループで企画プレゼンの準備を進める。スライドを作成し、事前に念入りにリハーサルを行っておくこと。時間は少ないが、時間があったとしても時間を割けることを意味しないだろうから、限られた時間でベストを尽くすこと。
評価シートのテンプレートをコピーした上で、次週のプレゼン開始前までにdiscordに投稿する。
〆切:6月17日(月)13:00
スライドは、プレゼンに利用するとともに、確認用に自分のグループのものをDiscordの自分たちの班のチャンネルにリンクをはっておくこと。